ライプニッツの幾何学研究の展開について、主に空間構成の理論と実体概念の展開との関連を中心とした解明を行い、初期から最晩年に至る諸概念の変遷の合理的再構成の枠組みを構築した。また、最晩年の空間構成論に着目して、ライプニッツの空間論を、デカルト以降の近代西洋哲学における「ア・プリオリ性」の歴史に位置づける見通しを立てることができた。さらに、ライプニッツの数学研究において幾何図形がどのような役割を果たしているのかを、主として初期のパリ時代の数学論文を検討することで解明した。加えて、こうした研究成果を踏まえるかたちでライプニッツ数理哲学の哲学的意義を評価するためのモデルの構築も試みた。
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