研究課題/領域番号 |
15K02004
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
小島 優子 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 准教授 (90748576)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ヘーゲル / 犯罪 / 贖罪 |
研究実績の概要 |
平成28年6月には、日本ヘーゲル学会大会(於立正大学)ワークショップでヘーゲル講義録について研究報告を行った。ヘーゲルがベルリン大学で行った講義について、計画的にプログラムを組み立てて講義を行っていたこと、またヘーゲルの弟子たちがヘーゲルの講義を踏まえた上で大学での講義を行っていたことを指摘した。 また平成28年6月に刊行された共訳書『ヘーゲル・ハンドブック』(知泉書館)では、ベルン時代のヘーゲルの思想形成についての翻訳を担当した。 平成28年7月に京都ヘーゲル読書会で、「ヘーゲルにおける「犯罪」と「贖い」―『キリスト教の精神とその運命』を中心に―」(於京都教育文化センター)という題目で研究発表を行い、参加者と意見交換を行った。フランクフルト時代のヘーゲルにおける贖いの思想が、どのようにその後のヘーゲル承認論へと移行していくかについて、研究する必要性を指摘された。 平成28年8月には、ドイツに研究出張し、ベルリン州立図書館でヘーゲルに関する研究文献を収集し、ヘーゲルのフランクフルト時代の手稿のデータを集めた。また、リューネブルク大学を訪れ、青年時代ヘーゲルに関する研究について意見交換を行った。特にヘルダーリンとヘーゲルとの関係についての文献を収集することができた。 平成28年9月には、ヘーゲル宗教哲学講義について、共著書『ヘーゲル講義録入門』の第十章で執筆した。ヘーゲルがベルリン大学で三回行った宗教哲学講義の中で、特に贖罪を哲学的に重要な意味においてとらえていることを指摘した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年5月中旬に所属機関から個人研究室を配置された。このために、パソコン、プリンター、研究書籍を配架するための書棚等を設置して、研究に従事することができるようになった。これによって、研究環境が大幅に改善された。 また平成28年度は、ドイツのベルリンおよびリューネブルクに研究調査を行うことによって、資料収集や研究の発展に役立たせることができた。 学会および研究会で研究成果を発表したことも、今後の研究の展開に有益であった。
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今後の研究の推進方策 |
フランクフルト時代のヘーゲルに関する研究文献の収集、およびこれまでに収集した研究文献を整理する。これによって、研究成果をまとめることを今後の課題とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外出張調査の航空券を安価で購入することができたために、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
研究調査のための出張費にあてることによって、研究交流や資料調査に使用する。
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