研究課題/領域番号 |
15K02008
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
飯野 勝己 静岡県立大学, 国際関係学部, 准教授 (70551729)
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研究分担者 |
岡田 安芸子 (藤村安芸子) 駿河台大学, 現代文化学部, 教授 (20323561)
坪井 雅史 神奈川大学, 外国語学部, 教授 (20386816)
岩野 祐介 関西学院大学, 神学部, 教授 (20509921)
樋口 浩造 愛知県立大学, 日本文化学部, 教授 (30243140)
新田 智通 大谷大学, 文学部, 講師 (40612891)
上石 学 聖心女子大学, 文学部, 講師 (70349166)
相澤 伸依 東京経済大学, 経営学部, 准教授 (80580860)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 哲学 / 倫理学 / 暴力論 / 思想史 / 現代思想 / 宗教思想 / 日本倫理思想 |
研究実績の概要 |
平成28年度は2回の全体研究会を行うとともに、研究成果公表(共著論集の刊行)に向けた企画構想、および出版社との交渉を行った。 今年度第1回(全体としては第3回)研究会は、平成28年8月22日~23日に秋田県仙北市の角館樺細工伝承館第2研修室で開催した。藤村安芸子「古代日本における祭祀について」、樋口浩造「東アジア冷戦体制と日本──暴力に守られた平和について」、飯野勝己「フォースとヴァイオレンス──暴力を世界のなかに位置づける」の3つの研究発表と、ゲストの中野良樹氏(秋田大学、心理学)の講演「暴力の生起と抑制に関わる進化と心理・生理」が行われ、それらにもとづき活発な討議が行われた。それとともに、本研究にもとづく論集出版に向けた打ち合わせも行った。 論集企画は京都の学術書出版社と交渉し、平成30年度の刊行を目指して進めることで出版が内定した。それを受けて今年度第2回(全体第4回)の研究会は、本研究のメンバーおよび協力者全員が論集に寄稿する論考(基本的に各自が1章づつ担当)の構想を発表する内容で、平成29年3月23~24日に東京都渋谷区の聖心女子大学3号館344教室で開催した。飯野勝己「序章・暴力はなぜ哲学の問題になるのか」「いくつもの暴力・ひとつの暴力」、上石学「暴力とミーメーシス」、新田智通「文化と暴力」、中野良樹「暴力と被暴力の行動科学」、岩野祐介「日本キリスト教史における暴力理解」、樋口浩造「人は暴力を直視できるのか」、坪井雅史「インターネットと暴力」、相澤伸依「語りを通した力への抵抗」、藤村安芸子「中世日本の倫理思想と暴力」の構想が発表され、各内容についての討議が行われた。また、各自の構想発表にもとづき、論集の構成案を作成するところまで進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
計画にほぼ準じる2回の研究会を行い、また論文執筆、学会発表、講演などを通じて研究成果の公表もある程度軌道に乗せることができた。さらに、当初から目標として設定していたものの、昨今の出版事情の厳しさから必ずしも容易ではないと予想していた論集出版に関しては、思いのほか順調に出版交渉がまとまり、内容構成の大筋を固めるところまで進めることができた。この点において、当初の計画を上回る進展状況といえる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度も2回の研究会(論考検討会)を行う。第1回(全体第5回、平成29年9月に予定)では各自が論集の各章を構成する論考の草稿を持ち寄り、全員でそのすべてを詳細に検討する。その議論をふまえて各自が論考を完成させ、第2回(全体第6回、平成30年3月に予定)の研究会で発表する。そこで最終的な各章の内容を検討するとともに論集としての構成を確定させ、同年夏の刊行を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた要因は第一に、当該年度において各研究分担者に配分された分担金が使用が予定より少なかったしことにある。7名の研究分担者に117,500円づつ配分したが(主に文献購入や学会等の旅費を想定)、本研究以外の業務の繁忙等により、全員が配分額を使用し切るにはいたらなかった。また第二に、次年度の2回の研究会(主な用途は各自の旅費)のために、意図的に節約して繰り越した面もある。
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次年度使用額の使用計画 |
研究期間の最終年度にあたる次年度は、最終的な成果(論考執筆とそれにもとづく論集出版)にむけて各自が研究活動を加速させる。それに応じて文献購入や学会参加等も活発化させ、次年度配分額も含め使用する計画である。
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