研究課題/領域番号 |
15K02019
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
山本 史華 東京都市大学, 共通教育部, 准教授 (20396451)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 生命倫理 / 日常生活 / エートス / 後衛 / 低線量被曝 / 脳死臓器移植 / 安楽死 |
研究成果の概要 |
本研究は、医学・医療の発展が日常生活にどのような影響を及ぼすか、また倫理がその結果どのように変容してしまうのかを考察した。最先端の医学に対応する生命倫理学を「前衛としての生命倫理学」、日常生活のなかで遭遇する生老病死を問い直す生命倫理学を「後衛としての生命倫理」と呼んで区別した。 以上の観点に立ち、日常生活で進行しつつある低線量被曝を生命倫理学の課題にするにはどうすればよいのかを論文にした。また、現代の医療が「未来疲れ」とでも呼ぶべき現象をもたらしていることを指摘し、その対処方法を考え、論文にした。最後に、日常の観点から生命倫理学に関する単著を書き下ろし、低線量被曝の問題も取り入れた。
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自由記述の分野 |
哲学・倫理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
3.11後問題として浮上した低線量被曝は、生命倫理学の課題として扱われることはほとんどない。従って、その問題を生命倫理学に組み入れたことには学術的意義がある。また、低線量被曝を生命倫理学の課題の一つとして捉えることを目的とする本を出版したことは、生命倫理に対する認識を社会全体へ広めることになり、社会的意義がある。「未来疲れ」という現象は、医療のエビデンスと相関して起こっているが、まだその現象自体が問題として認識され、俎上に載せられたことはないため、それを真っ先に指摘し、その原因と対処方法について考察したことには学術的かつ社会的意義があると思われる。
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