明の嘉靖九年に王守仁の祭祀の中心となる施設として天真精舎が浙江省杭州に建立されて以降、王守仁を祭る祠廟が各地に広がっていった状況を、関連する文献資料の分析を通して考察した。そして、王守仁の逝去後に各地に設立された祠廟のうち、嘉靖年間に、王守仁の直弟子が建立したものに関して、名称、所在地、設立に関与した門人の一覧、及び残存する記録資料について整理した。また、浙江省、安徽省、福建省において、王守仁の祭祀に関連する史跡の現地調査を行った。これらの調査を通して、現地に残存する石刻の写真データほか種々の関連資料と様々な有意義な知見が得られた。
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