ヴェーダ語動詞において話し手の態度を表示する叙法─特に接続法─の語形・機能を、文法と思想の相互理解に基づいて研究した。接続法語幹形成母音や3人称複数形の同定といった長年の課題に取り組む一方で、インドの伝統文法学による接続法の理解、更には従来曖昧に理解されてきた従属節における叙法の機能についても、一般言語学的観点から根本的問題の所在と解決のための道筋を示した。また、叙法の機能研究のための十分な用例収集と分析を行い、今後の包括的研究のための着実な基礎固めを行うとともに、言語研究と思想研究の表裏一体性を示した。
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