研究課題/領域番号 |
15K02044
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
渡辺 章悟 東洋大学, 文学部, 教授 (50277349)
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研究分担者 |
岩井 昌悟 東洋大学, 文学部, 教授 (40398839)
現銀谷 史明 東洋大学, 東洋学研究所, 客員研究員 (50385960)
石川 美恵 東洋大学, 東洋学研究所, 客員研究員 (80385963)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 八千頌般若経 / データベース / 言語検索ツール / 梵蔵対照 / 梵蔵対照 |
研究実績の概要 |
初期大乗を代表する般若経典群の中で最古とされる『八千頌般若経』の新写本が近年バーミヤンから出土した(スコイエン・コレクション)。本研究は、同写本の網羅的研究のための基礎研究として現存のネパール系写本との比較の他、チベット語テキストとの内容の異同を調査し、梵蔵対照テキストを作成するとともに、『八千頌般若経』に対応した検索ツール作成と多言語対照術語のデータベース構築のために梵蔵術語の索引整備を行うという研究目的の下、上田昇・計良龍成によってデータ化されたSanskrit Word-index to the Abhisamayalamkaraloka Prajnaparamita-vyakhya (U. Wogihara edition) (Sankibo, 1998)に基づいて、サンスクリット語―チベット語対照語彙データを作成した。具体的には上記の索引見出し語をエクセル上にアルファベット順に配列・データ化したものを研究分担者及び研究協力者にそれぞれ『八千頌般若経』の各チャプターを割り当て、各見出し語に対応するチベット語をデルゲ版チベット大蔵経中の『八千頌般若経』の所在と共に入力した。 般若経は初期大乗の最初期の経典であり、インドのみならずチベットや中国においても、般若経は註釈を伴った教理研究として発展した。散文大乗仏典がサンス クリット化されてゆく過程を術語レベルで比較検討するためにも、またさらに梵文原典がチベット語に翻訳されていく過程で、どのような系統の梵文写本がいつ頃もたらされたのかを推定するためにも、多言語対照語彙のデータベースを構築し検索ツールを整備することは不可欠である。本プロジェクトの成果により、近年続々と発見される写本の分析、読解が容易になり、翻訳を公開し広く世に問うことも可能になる。
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