研究課題/領域番号 |
15K02047
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
中国哲学・印度哲学・仏教学
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
志賀 浄邦 京都産業大学, 文化学部, 教授 (60440872)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ジャイナ教 / 多面性実在論 / アルチャタ / カルナカゴーミン / サマンタバドラ / クマーリラ / ダルマキールティ / ジターリ |
研究成果の概要 |
ダルマキールティ以降の仏教論理学者たちが紹介するジャイナ教学説を分析して複数の要素に分け、論師ごとに精査した結果、カルナカゴーミンの前後である変化が起こっていることが判明した。彼に先行するアルチャタやシャーンタラクシタ、カマラシーラの所説と比較すると、元々個別に紹介されていた複数の見解・学説が、カルナカゴーミンの時代に編集・パッケージ化され始め、ジターリの時代に完成されたという流れを想定することができる。また実体と様態をめぐるジャイナ教徒と仏教徒の対論を歴史的に概観すると、ダルマキールティを除く仏教論理学者のうち後代のジャイナ教徒たちによって最も頻繁に引用・批判されるのは、アルチャタである。
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自由記述の分野 |
仏教学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の独創的な点は、仏教論理学者アルチャタとジャイナ教論理学者の関係性を明らかにしようとした点である。従来アルチャタは、ディグナーガに始まる仏教論理学派の一論師として研究されることが多かった。しかしながら、アルチャタ自身が存在論に関するジャイナ教学説を紹介している点や、後代のジャイナ教徒がアルチャタを主要な対論者の一人と見なしている点からも、アルチャタとジャイナ教徒の間には長きに渡る論争の歴史が存在したと考えられる。存在論をめぐるアルチャタとジャイナ教徒の論争の様相とその経緯を明らかにすることにより、インド哲学における存在論の総合的理解に新たな視点と知見を提供することができたと考える。
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