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2017 年度 実施状況報告書

隋洛陽上林園翻経館沙門釈彦琮の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K02048
研究機関佛教大学

研究代表者

齊藤 隆信  佛教大学, 仏教学部, 教授 (20367981)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード彦琮 / 通極論 / 浄土詩 / 金光明経序
研究実績の概要

平成29年度は、以下のように3つの柱を立てて研究を行った。
1、当初の計画の通り、『通極論』の読解を継続した。本書は内典(仏教典籍)のみならず外典(仏教以外の典籍)をも広く視野に入れた上で専門用語の使用頻度と用いられ方を比較しながら適切な現代語訳を作成することが肝心であり、その自覚のもとに作業を粛々と進めた。ただし、すべての読解が完了したわけではない。本書は儒教や道教とともに広く調査した上で過去の業績(京都大学人文科学研究所における福永光司による研究班の先行研究)をふまえた上での精密な訳註を作成なければならず、思ったよりも時間のかかる作業となるのである。
2、彦琮が作成した浄土詩32偈(晨朝礼)の読解と註釈も同時に行った。敦煌写本を中心に日本の浄土宗系テキストを校本として、両者を比較整理しながら校訂テキストを作成した。こちらも現代語訳と訳註は途中まで進んだところである。
3、成果発表としては、一昨年から行っていた『合部金光明経』の序文をめぐって日本印度学仏教学会において口頭発表した。本経の序文はこれまでに大蔵経に収められたものだけがわかっていたが、今回の調査によって新たに中華人民共和国の上海図書館にもまったく異なる本経の写本を発見し、しかもそこには彦琮作と明記されいった。この発見を発端として、これこそが彦琮の真撰の序文であることを論証したのである。またそれを「二種の彦琮作『合部金光明経序』」題する論文にまとめ、『印度学仏教学研究』66巻1号(pp.156-162、2017.12)に掲載した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

『通極論』はきわめて難解な理論書である。それは彦琮の博覧強記の成果といえるが、内外典を縦横に駆使して儒教や道教の諸思想にも関わってくるからである。したがって、当初の予定よりも訳註作業は遅れている。
また彦琮の浄土詩についても、校訂作業は終わっているが、一句を五字にまとめていることもあって、作者の意図をよくくみ取りながら現代語訳をしなければならず、そのため完訳するまでには至らなかった。。

今後の研究の推進方策

今後も引き続き『通極論』と浄土詩の訳註をすすめる。昨年度と同じように儒教と道教の思想をふまえた広範な情報を整理しながら年度末には訳註の見直しを遂行する予定である。

次年度使用額が生じた理由

【理由】
予定していた書籍の購入費を次年度で執行することになったため。
【使用計画】
今年度に購入する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 二種の彦琮作『合部金光明経序』2017

    • 著者名/発表者名
      齊藤隆信
    • 雑誌名

      印度学仏教学研究

      巻: 66巻1号 ページ: 156、162

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 二種の彦琮作『合部金光明経序』2017

    • 著者名/発表者名
      齊藤隆信
    • 学会等名
      印度学仏教学会

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公開日: 2018-12-17  

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