当初計画していた(1)曼荼羅と密教美術の現地調査に関しては、2015年に中国青海省ラジャ寺、2017年に同省シャキュン寺の調査を行い、新たな知見を得た。この他、インド・ネパールでも調査と写真撮影を行った。(2)チベット・ネパール仏教美術の研究では、成都市のテンパタルギェー氏のコレクションからミトラ百種曼荼羅集の断片を発見、2017年2月からは東京国立博物館の客員研究員を委嘱され、館蔵品の整理を行ったが、その過程で重要な発見があった。(3)研究成果の公開と海外に向けた発信では、『安立次第論』と『梵文普賢成就法註』の日英二カ国語の研究書を刊行し、藤田アーカイブスも、ほぼ全写真の整理を完了した。
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