研究課題/領域番号 |
15K02062
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
宗教学
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研究機関 | 清泉女子大学 |
研究代表者 |
井上 まどか 清泉女子大学, 文学部, 准教授 (70468619)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 宗教復興 / 宗教文化教育 / 宗教教育 / 愛国心教育 / 軍隊 / ロシア正教会 / 伝統宗教 / ソ連解体後ロシア |
研究成果の概要 |
本研究の当初の目的は、2012年に公立小学校に導入された宗教文化教育、および宗教団体の信徒有志による教育活動の双方を複眼的に分析することによって、ソ連解体後のロシア社会における「宗教復興」の動態を明らかにすることにあった。 研究の結果、①宗教文化教育は90年代から2000年代にかけて軍隊など国防分野での兵士教育と深く結びつき、その際、愛国心教育と不可分であったこと、②上の①については、ロシア正教会が主導していること、③他方、公教育における宗教文化教育の設計においては国家の世俗性原則やロシア正教会以外の伝統宗教(イスラーム、仏教、ユダヤ教)が重視されたことなどが明らかになった。
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自由記述の分野 |
宗教学宗教史学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国家とロシア正教会との密接な関係や、ロシア正教会の愛国心教育への傾斜は、ソ連解体後の趨勢として表面的に言及されることが少なくなかった。本研究では、①ロシア正教会と軍隊など国防分野との連携、②ロシア正教会の国家観・戦争観、③ソ連時代の政教関係、④ロシア正教会以外のいわゆる「伝統宗教」(イスラーム、仏教、ユダヤ教)の政府との関係④非伝統宗教の動向など、複眼的にアプローチすることによって、国家とロシア正教会の関係性の内実を明らかにし、また、愛国心教育と伝統宗教との関係を明らかにしたところに学術的意義がある。ロシアのこの事例は、日本を含め後発近代国家との比較を可能にするという社会的意義をもつ。
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