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2017 年度 実績報告書

東アジアにおける天道信仰の総合的研究―道教・陰陽道とのシンクレティズムを中心に

研究課題

研究課題/領域番号 15K02095
研究機関公益財団法人中村元東方研究所

研究代表者

加藤 みち子  公益財団法人中村元東方研究所, その他部局等, 専任研究員 (10306524)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード宗教複合 / 天道 / 道教 / 陰陽道 / 津島信仰 / 吉田神道
研究実績の概要

本研究の目的は、東アジアおよび日本各地で「天道(天)」をめぐるフィールド調査および史資料の調査を行い、陰陽思想・道教を含む「宗教複合」思想を浮き彫りにすること、とりわけ「大陸とのつながり」を視野に入れて精査することにより、従来の研究では抜け落ちていた「天道」思想の現代につながる意義を見出すことを目的とするものである。平成29年度は、平成27年度及び平成28年度の「日本国内における天道信仰に関する調査」および「韓国および台湾の天道信仰についての調査」について収集したデータを踏まえ、資料整理および補足調査を行うとともに、吉田神道と天道についての資料調査をすすめ、ここまでの研究成果を学会や研究会で発表し識者のアドバイスを得てまとめていくことであった。
現在まで3年間の成果として浮かび上がってきたのは以下の3点である。第一に、わが国の天道概念は、天神(アマツカミ)、牛頭天王、素戔嗚尊、天神(菅原道真)と関連・習合・同一視されつつ展開すること。第二に、対馬系天道思想の源流は、吉田神道の祖・卜部平麻呂であり、わが国の天道思想の流布には、吉田神道が密接にかかわること。第三に、天道信仰には、大陸から伝来した道教書『太上感応編』が重要な役割を果たしていること。第四に、道教系天道信仰は、沖縄および九州地区にも多くみられ、当該地区の信仰は、琉球諸島を経て大陸から流伝した形跡があることである。
以上のうち、第四点については、当初は予想していなかった成果であり、しかも我が国の天道信仰成立にとって重要な役割を果たしている。そこで、大陸からわが国への天道思想の伝播ルートを位置づけるために申請した「天道信仰の発展的研究ー琉球から大陸への展開を中心に」において、調査を発展させていく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 痴兀大慧の廓庵十牛図解釈2017

    • 著者名/発表者名
      加藤みち子
    • 雑誌名

      東方

      巻: 32 ページ: 1,24

    • 査読あり
  • [図書] インド的共生思想の総合的研究─    思想構造とその変容を巡って─2017

    • 著者名/発表者名
      釈悟震
    • 総ページ数
      569
    • 出版者
      白峰社
    • ISBN
      978-4-938859-29-9

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公開日: 2018-12-17  

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