本研究の目的は、東アジアおよび日本各地で「天道(天)」をめぐるフィールド調査および史資料の調査を行い、陰陽思想・道教を含む「宗教複合」思想を浮き彫りにすること、とりわけ「大陸とのつながり」を視野に入れて精査することにより、従来の研究では抜け落ちていた「天道」思想の現代につながる意義を見出すことを目的とするものである。 調査の成果として浮かび上がってきたのは、わが国の天道概念は、天神(アマツカミ)、牛頭天王、素戔嗚尊、天神(菅原道真)と関連・習合・同一視されつつ展開すること。第流布には、吉田神道が密接にかかわること。大陸から伝来した道教書『太上感応編』が重要な役割を果たしていることである。
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