研究課題/領域番号 |
15K02117
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研究機関 | 京都市立芸術大学 |
研究代表者 |
Tokita Alison 京都市立芸術大学, 公私立大学の部局等, 教授 (60589662)
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研究分担者 |
津上 智実 神戸女学院大学, 音楽学部, 教授 (20212053)
仲 万美子 同志社女子大学, 学芸学部, 教授 (50388063)
日下部 祐子 京都市立芸術大学, 音楽学部, 講師 (90727041)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 芸術歌曲 / 近代植民地主義 / 音楽アイデンティティ |
研究実績の概要 |
プロジェクトの第1年目は生産的で、研究が捗った。代表、分担者、研究補助者は3回の会に毎回出席し、連携研究者は少なくとも1回の出席、貴重な貢献をした。2つの会の一部として海外の研究協力者とはSkypeで直接通話した。代表はオーストラリアへ3回(6,10,3月に)渡って、Crottyと会って情報提供と資料を提供していただいた。シドニー大学で発表をして、資料を収集した。また、2月に韓国に行って、Leeと会って、関連研究者と紹介してもらい、貴重な資料と情報を提供していただいた。日下部はフランスで資料を収集した。研究会のメンバーがそれぞれ自分のテーマのため、資料を収集・分析して、それを研究会で報告した。結果として、芸術歌曲と音楽文化アイデンティティについての理解が深まった。 研究会を次のように行った。①2015年5月30日、於キャンパスプラザ京都。データベースの話、それぞれの分野、貢献する領域の紹介、Skypeで連携研究者の坪井、柿沼と話した。②2015年9月5日、於キャンパスプラザ京都。研究報告:津上、『月刊楽譜』調査の中間発表、日下部、ヨーロッパ調査報告、仲、山田関係資料報告、時田、7月メルボルン資料調査報告、コメント坪井。Skypeで海外の研究協力者Joel Crotty, Joys Cheung, Kyungbun Leeと話した。③2015年12月5日、於京都市立芸術大学。研究報告:研究補助者竹内直「伊藤昇の歌曲をめぐってー探求されなかった「未来派」の道」、津上「日下部さんに歌っていただく『月刊楽譜』付録楽譜からの曲について」、劉 麟玉、コメント、日下部、歌曲の試演:レクチャー・コンサートへ向かって。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
予定通りの研究会の3回と、海外の研究協力者とSkypeによる討議を行ったが、期待したより、分担者、連係研究者、海外の研究協力者全員の研究チームメンバーが積極的に研究のデータ収集と初期的分析を行い、報告したので、集会は充実したものだった。最初の計画になかったが、日下部が日本その他の歌曲の試演会を提供していただいたおかげでとてもそれぞれの歌曲の理解ができた。定期的に海外の研究協力者との連絡も取れて、積極的に情報提供をいただいた。分担者、連係研究者同じようにシンポジウムへ向けて発表原稿を書く準備をしている。代表(オーストと韓国)と日下部(フランス)海外調査は予定していなかったが、とても有意義な資料とインタービューデータを生んだ。代表のシドニー大学で行われたオーストラリア音楽学学会の大会で日本を中心に芸術歌曲について発表したのも最初に予定していなかった。
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今後の研究の推進方策 |
資料収集とその整理とデータベース化を継続する。事例研究も続ける。時田は中国の作曲家Chen Tianheとオーストリアの作曲家Linda Phillipsの事例と、プロジェクト全体の当該地域と時代の芸術歌曲の事情に関するデータを収集する。津上は『月刊楽譜』その他の音楽雑誌の資料調査とその分析を行う。仲は芸術歌曲についての作曲家、歌手、評論家が語る言葉の分析と、大連など外地で歌曲の演奏事情を調査する。日下部は日本、韓国、中国、台湾、オーストラリアの芸術歌曲の調査とその試演会、そして、リサイタルとそのプログラムを準備する。研究補助者(竹内直)兼研究協力者は伊藤登と松平頼経の歌曲を調査して、分析を行い、発表の準備をする。 最初の予定よりも多く、5回の研究会と試演会を4月、7月9月、12月、2月に行う。28年度末のリサイタルとシンポジウムへ向けて準備をする。2017年3月25日に東アジアとオーストラリアの芸術歌曲のリサイタルを京都府民ホールアルティーで行う。翌日の3月26日に同志社女子大学で国際シンポジウムを行う。 また、2017年3月19-23日に東京で行う国際音楽学会(IMS)の国際シンポジウムへroundtableのプロポーザルを提出したが、採択されたらさらに研究成果を発信する場になるので、その準備もする。今年度は一番集中的に研究する時期になると思われる。来年度は口頭発表を元に論文執筆して論文集を出す予定。同時に国際会議にパネルを申し込んで研究結果を発信することを考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
手に入らなかった資料があったので、来年度に回した。
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次年度使用額の使用計画 |
28年度に購入する予定である。
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