ヨーロッパ北方美術のユーモア表現は、ゴシック聖堂内彫刻の笑顔から発展し始める。それら笑顔を意味で分類すると、天国に入る人に与えられた祝福された笑顔、悪魔の笑顔、肖像における笑顔、死の笑顔、道化の笑顔などになる。笑顔が美術作品を見る人の笑いを誘うのである。 他に笑いのテーマ・手法としては、以下に分類される。あべこべの世界、遊戯、スカトロジー、セックス、擬獣化(動物に演じさせる)、諺の造形化などである。これらのテーマ等は、美術諸ジャンルで相互に関連し伝播しながら発展するが、ジャンル毎の特異性もある。そして、ジャンル毎に受容者の特徴があり、半識字者から聖職者まで広がるのである。
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