研究実績の概要 |
当該年度は最終年度であり、シュリーヴィジャヤの尊像群の源流をインドに求めるべく、予定を変更し、インドの南東地域を約2週間かけて調査を行った。博物館等には事前に調査許可を得て撮影・測量を行い、調書を作成した。 1005年にシュリーヴィジャヤの王は南インドのチョーラ朝の王に対して、コロマンデル海岸に来往するシュリーヴィジャヤの商人達のために、港市ナーガパティナムに仏教寺院の建立を懇願し、許可を得たことが『宋史』に記されており、11~12世紀にマレー半島にまで進出したチョーラ朝を通して造形も伝わったことが現存作例から確認できる。今回の調査では、Mahabalipuramのshore派寺院のヴィシュヌ像、ガンガー降下(苦行)の像群、brihadishwara寺院の守門像等に東部ジャワ期の尊像の造形との類似性を見い出すことができた。今後、マレー半島の調査を行い、パッラヴァ朝とチョーラ朝の尊像とシュリーヴィジャヤの尊像との本格的な比較検討を考えている。遺跡及び博物館等は以下の通り。Nagarjunakonda,Nehru Zoological Park,Archaeological Museum,Nagarjunakonda,Kondapur Archaeological Museum,Edithanur Cave,Archaeological Museum, Amaravati,Group of Buddhist Monuments, Guntupalli,Ghantasala,Salihundam Archaeological Museum Varaha, Lakshmi Narasimha temple,Sri Nataraja Temple,Chennai Government Museum,Gangaikondacholapuran,Kailasanata Temple等。
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