本研究は、服飾デザインにおけるコラージュに着目し、①日本のパッチワークの着物(金銀襴緞子等縫合胴服[上杉神社蔵]、糞掃衣、百徳着物)、②東アジアのパッチワーク(中国敦煌の袈裟[大英博物館蔵]、韓国のチョガッポ)、③西洋のコラージュ(ソニア・ドローネーの《ベッドカバー》やローブ・シミュルタネ、ミリアム・シャピロの《キモノの解剖学》、アンリ・マティスの上祭服)を比較することによって、これらの共通点と差異、さらに日本の「継ぎ」の特性を明らかにするとともに、コラージュや服飾(手工芸)に内包されるジェンダーの構造について考察した。
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