研究課題/領域番号 |
15K02151
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
河野 道房 同志社大学, 文学部, 教授 (90195678)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 北斉 / 畏獣 / 墓誌蓋 / 北魏 / 石刻画象 |
研究実績の概要 |
今年度は、標記研究題目にしたがって、まずボストン美術館の調査を2016年3月13日におこなった。調査対象は寧懋石室(北魏)、元君墓誌および墓誌蓋(北斉522年)、大徳寺旧蔵五百羅漢図2幅(南宋)等、北魏・北斉の石刻画像を中心に調査し、特に畏獣の傍題と図像の確認をおこなった。 引き続き、メトロポリタン美術館の調査を2016年3月14日~15日に行った。調査対象は、彩絵石彫四仏塔(北斉)、彩絵仏像(コータン、6世紀)、彩絵菩薩像(ベゼクリク石窟:ウイグル、9-10世紀)、スイ(目に隹)陽五老図のうち畢世長像(北宋)等、南北朝の石彫および唐宋の絵画を調査し、文様と人物造形の特徴を確認した。 この結果、北斉王朝の造形表現、特にパルメット唐草文に類する装飾的表現や、畏獣の表現およびその命名に関して確認することができた。 調査に関しては、研究協力者として京都精華大学教授佐藤守弘氏の示教を仰ぎ、情報収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画では、アメリカおよび中国大陸での調査を予定しているが、初年度にまずボストン・メトロポリタン両美術館の調査ができ一部実見できなかった作品もあるが、おおむね順当に調査は進行しているからである。
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今後の研究の推進方策 |
アメリカでの未見作品については引き続き調査の可能性を模索し、今年度は中国大陸、特に南京近郊または甘粛、遼寧の南北朝時代遺物の調査を計画している。 ただ、いずれも現地の事情や交渉の進行が予定どおり進まない可能性もあり、場合によっては引き続きアメリカあるいはヨーロッパと、中国大陸の上記いずれかの優先順位を調整する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は調査・研究開始年度であるが、調査が年度末になったため、資料の整理が及ばず、資料整理のための人件費が未使用であった。そのため次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額は、ほぼ資料整理の人件費であるので、当初予定の2016年度人件費に加えて使用する予定である。
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