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2018 年度 研究成果報告書

魏晋南北朝絵画における奥行き表現の歴史的展開-人物表現をてがかりに

研究課題

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研究課題/領域番号 15K02151
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 美術史
研究機関同志社大学

研究代表者

河野 道房  同志社大学, 文学部, 教授 (90195678)

研究協力者 倪 晋秀  
汪 文磊  
島村 桂子  
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード奥行き表現 / 山水画 / 山水之変 / 壁画 / 畏獣 / 石刻画像 / 山西省
研究成果の概要

本研究計画を実施した結果、次のような考察が得られた。1)北朝の畏獣の表現、特に飛来する畏獣の三角形構図や、人物群像の三角形構図は、透視図法的奥行き表現の原形となった可能性がある。2)漢代には上遠下近の遠近法が存在したが、後漢~魏晋期には人物群や建物を台形に構成する表現が現れた。東晋~南北朝時代になると、人物群を三角形に構成して遠近を表すようになった。唐代には、遠くのものを小さく、近くのものを大きく描く、遠小近大の遠近法が現れ、地平線に向かって事物が短縮していく透視図法的奥行き表現が成立した。

自由記述の分野

美術史

研究成果の学術的意義や社会的意義

ヨーロッパ絵画に較べて奥行き表現は未発達、と思われがちな東アジア絵画であるが、中国唐代には透視図法的奥行き表現が完成し、ルネサンス絵画よりも800年ほど早く、体系的奥行き表現が成立していたことを、出土遺品に依拠してその具体的展開を示すことができた。これは、二次元平面に三次元空間をどのように表現すれば自然に感じられるかという、空間認識の心理学、生理学ともかかわるであろう。また芸術的認識が成立するのは近代という見方からは、歴史学の時代区分論における「近代」の、文化における認識や定義にも資する結果ではないかと思われる。

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公開日: 2020-03-30  

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