研究実績の概要 |
27年度の既往資料等を用いて,全国各地域の文化資源(活動)及び職業等社会構造,経済状況の収集・整理に引き続き,地域の精神文化の具体的な展開方策の検討調査を行った.具体的には,歴史・文化・民俗資源の整理と地域固有の精神文化の発掘並びに経済活動の状況の分析であり,それぞれのモデル地域で受け継がれてきた文化資源(活動)を抽出し,整理や発掘した文化資源(活動)を通じて,地域固有の精神文化を発掘した.そして,職種・経済活動状況について,上記の精神文化に基づく文化活動との関連整理を行った.作業方針として,①モデル地域の抽出地域の精神文化をもとにした文化活動の具体的な展開を検討する地域として,全国7地域を対象としたこと,②地域の歴史・文化・民俗資源の整理抽出した地域ごとに,現地調査やヒヤリング,既往資料等により,文化資源(活動)及び職種・経済活動指標を整理したこと,③地域の精神文化の発掘と経済活動との関連検討 発掘した歴史・文化・民俗資源を通じて,その地域に根付く精神文化を発掘したことである.さらに,その精神文化と地域の経済活動(発展の過程や進捗状況)との連関を検討した. さらに29年度の研究に向け,他の科研メンバー等からの適切な助言を得て,京都大学,名古屋大学,勤務校(東京芸大)での研究会での発表や日本地域学会年次大会(新潟大学)で成果を発表した.29年度以降の研究予定の地域の精神文化による地域づくりへの取組みに関するヒヤリング調査に対する予備的な検討を行った.
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今後の研究の推進方策 |
27,28年度に引き続き,29年度は,地域の精神文化による地域づくりへの取組みに関するヒヤリング調査を行う.具体的には,地域づくりの主体となる組織や情報の発信主体となる組織等を抽出し,これまでの取組み実態や地域の精神文化を活用した地域づくりのあり方,地域住民への発信方法,経済発展・地域開発などへ関するヒヤリング調査を実施する.さらに,地域の精神文化を活かした地域づくり,地域の経済成長の具体的展開方法の検討を行いたい.つまり,地域の精神文化を地域づくり,経済発展へ活かすための具体的な展開方策や地域の精神文化を活用した地域文化活動の重要性におき,地域の経済的な発展に結びつく精神文化による地域文化活動の必要性を探ることである.そして,具体的な地域づくりのあり方を検討する.具体的には,地域づくり,まちづくりの参画主体となりうる活動団体に対して,地域の精神文化による地域づくり,まちづくりの重要性を周知する.また,現在,郡山,都城など実際に申請が行っている「地域塾」を活用・あるいはあらたに創成し,公・地・産連携の地域活性化・再構築の討議を行う.住民・公共これら活動団体が地域の精神文化を活かした地域づくり・まちづくりを進めていくための具体的な展開方策(活動指針)について検討を行うほか,地域の精神文化を活かした今後の更なる地域の経済発展・展開方策等について検討を行う.
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