1960年代のオールアフレコ作品『他人の顔』、『おとし穴』(勅使河原宏監督)などに見られる音響表現を、現在の音響技術で再構築する事により、現在に至るまで海外で高い評価を受け続けている「オールアフレコを中心にした日本映画の音響の独自性」を今日的な形で再構築し、「映画音響の新しい可能性を発見することができた。また、映画の記録メディアがフィルムからDCPに変化したことに伴う音響的変化を「高解像度」、「非圧縮」という数値的な評価軸だけではなく、「音質」という需要者の感性に基づく評価軸も加味した形で、総合的に判断する姿勢が、今後は必要とされるべきであるという結論に達した。
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