今年度の主な研究業績として、以下があげられる。2017年9月開催のギリシャ彫刻のシンポジウムの準備のため、4月、米国プリンストン大学の国際シンポジウムに参加し、プリンストン大学美術館の企画展「ベルリンの画家とその世界」を見学して、研究集会の運営方法や、研究展示についての専門的知識を得た。また、渡米中、ハーバード大学美術館およびボストン美術館の学芸員と学術交流を行った。そのほか、コネティカット州スレーターメモリアル美術館にて、石膏像コレクションの見学を行い、研究資料を収集した。 以上の準備活動を踏まえて、9月、高知大学主催のシンポジウム「ギリシャ彫刻を考える―パルテノンの神々を中心に―」を開催した(於五台山竹林寺)。シンポジウムの会場を四国霊場31番札所五台山竹林寺書院としたことで、西洋の聖なる空間を比較の聖なる空間と東洋の聖なる空間を比較考察できたことは有意義であった。 学外から3人の研究者を招聘し、美術史学、ギリシャ文学、美術解剖学の分野横断的な、学際的シンポジウムを行い、併せて、パルテノン・フリーズの神々の立体模型及び研究成果をまとめたパネルを展示した。参加者は、美術史研究者、彫刻制作者および一般の方々で、研究成果を広く社会に公開する重要な機会となった。
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