本研究は、パルテノン神殿のフリーズ彫刻の空間表現と宗教観について、神々の立体(3-D)模型を活用して考察を行ったものである。空間を視覚化するため、神々の立体模型に加えて、高精度の想定俯瞰図を独自に制作した。2016年3月、英国ケンブリッジ大学の古典考古学博物館にて研究展示を行い、2017年9月、高知市の四国霊場31番札所、五台山竹林寺にて、学術シンポジウム「ギリシャ彫刻を考える―パルテノンの神々を中心に―」を開催した。美術史研究者、美術解剖学研究者、文学研究者の研究発表、及び、研究展示を行った。分野横断的な議論の場を設け、研究成果を公開したことは、今後のフリーズ研究への重要な貢献と考えている。
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