研究課題/領域番号 |
15K02183
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研究機関 | 沖縄県立芸術大学 |
研究代表者 |
三島 わかな 沖縄県立芸術大学, 付置研究所, 研究員 (60622579)
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研究分担者 |
長嶺 亮子 沖縄県立芸術大学, 付置研究所, 研究員 (30589784) [辞退]
酒井 健太郎 昭和音楽大学, オペラ研究所, 准教授 (60460268) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 海外放送 / 国際交換放送 / 地方局 / 放送台本 / ラジオ新書 / ローカルアイデンティ / 対抗意識 / 植民地台湾 |
研究実績の概要 |
本年度の研究は、前年度に持ち越した課題を遂行することを主眼とした。すなわち、メリーランド州の米国公文書館(NARA II)に所蔵されている戦前の日本放送協会制作「海外放送」「国際交換放送」の音源収集である。そのための事前調査として日本国内の主要機関(国立公文書館その他)にて、米国公文書館(NARA II)に関する事前調査を実施した。事前調査は遂行されたものの、2020年3月に米国政府が発令した緊急事態宣言を受けて、米国公文書館(NARA II)における調査が未実施となった。 その他に国内では、大阪放送局ならびに地方局(大阪、福岡、富山)の所在地にある大学図書館および主要図書館において、個人寄贈等のコレクションをはじめとする放送台本の調査を実施した。それらの調査の結果として明らかになったことは、日本放送協会の放送網が充実・拡張をみせた1930年代以降、太平洋戦争が激化する以前の1942年頃までの期間は、東京・大阪・名古屋・札幌・仙台・広島・熊本の主要局のみならず国内各地の地方局(今回の調査は富山および福岡に限定)においても放送台本が制作されていたことである。 この結果を踏まえてそこから推察されることは、今回の調査地である富山や福岡以外の地方局の周辺地域においても、その土地の文化人や教育者など地域に根ざした人びとの手による放送台本が残されている可能性が充分に考えられるということである。つまり放送台本は必ずしも専業の放送作家だけが制作したのではないということである。同時に戦前にシリーズで刊行された『ラジオ新書』は放送原稿に手を加えた出版物であり、番組内容を知る手がかりとなる。本年度の調査結果については今後の研究計画の軸として組み込み、発展的に扱いたい。 湾生で現在首都圏在住者を対象に、戦前の台北放送局の「子どもの時間」の制作状況と出演者の選抜法や練習状況等について聴き取りを実施した。
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