研究課題/領域番号 |
15K02186
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研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
木村 陽子 目白大学, 人間学部, 専任講師 (20736045)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | リテラリー・アダプテーション / マルチメディア・アート / 小説 / 映画 / 演劇 / テレビドラマ |
研究実績の概要 |
平成28年度の研究実施計画に基づき、平成27年度の継続調査としてリテラリー・アダプテーションの実践者や関係者に聞き取り調査を実施し、主として当事者たちのメディア選択の意図や、各種メディア特性についての考えを調査した。さらに、それらの結果に基づき、本年度は下記の論文を著した。 ■「語られたがる物語、語りたがるメディア―前川知大『太陽』の演劇・小説・映画アダプテーション」(「白鴎大学論集」No.31(1)、pp.95-137、2016・10)この論文では、前川知大の代表作であり、作者自らが戯曲から小説へ、さらには映画台本へとアダプテーションした代表作『太陽』を考察対象とし、各種メディアの優位性や技術的・市場的制約について主として明らかにした。 ■「平田オリザのロボット演劇―創作の源泉としてのリテラリー・アダプテーション実践例」(「目白大学人文学研究紀要」No.13、2017・4)この論文では、古典的名作の枠組みを借りて現代的テーマを付与するという意味での翻案を得意とする平田オリザのロボット版「三人姉妹」「銀河鉄道の夜」を研究対象とし、オリジナルとアダプテーション、それぞれの問題意識やテーマの相違を確認しながら、創作手段、さらには批評手段としてのリテラリー・アダプテーションの特徴を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
リテラリー・アダプテーションの実践者への聞き取り調査の実施、およびその論文化は、研究実施計画どおりに、ほぼ遂行できた。しかし、もう一方の目標であった1950年代から1970年代における安部公房のリテラリー・アダプテーションの実践を、同期間における海外アーティストの類似事例と比較検討することを趣旨とした英語論文の国外への情報発信が、研究実施計画どおりには進まなかった。その理由は、英文校閲者の選定に時間を要したこと、さらには助言者との十分な打ち合わせ時間が確保できなかったことによる。その結果、目標としていた平成28年度中の国外学術雑誌への投稿に間に合わなかった。
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今後の研究の推進方策 |
国内外のアダプテーション事例を比較検討する英語論文を完成させ、国外に情報発信していく。また、平成27年度、28年度の調査・研究を受けて、各種メディア特性のより深い理解向上へとつなげ、最終段階として、大学人文系専攻者(文学、演劇学、映像学、メディア学等)を主たる読者として想定した、メディア横断的な入門教材の開発へとまとめていきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定全額の使用をめざしたが、英語論文の英文校閲料が消化できなかったため、次年度への繰り越しとした。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度予定全額の使用を計画的に進めていく予定である。
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