研究課題/領域番号 |
15K02192
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
丸川 誠司 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (70339612)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | メランコリー / デモクリトス / ヘラクレイトス / バロック / ベラスケス / レンブラント / アイロニー |
研究実績の概要 |
2016年5月に、別課題の研究発表の後ルーアンで、ベラスケスの「デモクリトス」を調査、これは前年度3月のベラスケスを巡る調査の続きとなった。同年末、ドレスデンとフランクフルトで主にレンブラントとその弟子による作品、およびドイツ、オーストリアの表現主義(新即物主義)の作品を巡る調査を行った。また2017年3月には、デュッセルドルフでO. ディクスと J. ボイス、アムステルダムでレンブラントとテル=ブリュッヘン(及び20世紀ではC. ウィリンクなど)、ウィーンでレンブラント、ロザ(及びバーデンでA. ライナーならびに表現主義関連ではシーレ)関連の調査を行った。 ヨーロッパでは昨年5月パリでのクレーのアイロニーを巡る展覧会、あるいは今年のディクス、シーレの企画等、いずれも第一次大戦から100年を経過し、その後の「ヨーロッパ」の運命とその時代の芸術家個人ならびに社会のメランコリー、デプレッションの表象が意識的に展示されていることが確認された。この点についてはできれば次の論文で触れたい。 前年度からの17世紀のバロック期の美術作品については、2017年3月末に発表された論文、「<ポスト・ヒューマン>のメランコリー(3):思考の肖像」で、アイロニーを経た哲学者のメランコリーの表象をめぐる調査と研究の結果をとりあえずまとめている。A. ライナー、J. ボイス、ないし(可能な限り)19-20世紀の美術作品を巡っては次の論文で取り組みたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
他の研究成果をまとめる作業に大きな時間を割く必要があったため、本課題自体の研究は思ったほどは進展していない。
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今後の研究の推進方策 |
前述の他の研究成果をまとめる作業に早く区切りをつけ、本課題に再び集中できるように準備を整える。
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次年度使用額が生じた理由 |
最大の理由は、年度末にコンピュータを購入する予定だったが、購入を考えた時点で価格が急上昇したため、購入を一時的に見合わせたことである。次に、既に記した通り、研究がやや遅れ気味であることもあり、より支出が大きくなる見込みの今年度のため予備資金をためておこうと考えた。
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次年度使用額の使用計画 |
コンピュータの購入、ないし調査費用、一応現時点で予定しているシンポジウム開催のための資金として使用したい。
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