本研究は「アングラ演劇」を代表する作家である寺山修司と佐藤信を取り上げ、それぞれの創作における方法論を見直すことを目的とするものである。寺山研究では、なぜ寺山は「見世物小屋の復権」を唱え、見世物芸の何を創作に取り入れたのか初期作品から明らかにした。佐藤研究ではアンダーグラウンド・シアター自由劇場をかまえた後に、佐藤の初期作品が空間的にどのような変容を遂げたのかを分析した。加えて、関連資料の整理とリスト化、佐藤氏からの聞き取りをすることで、幼少期から劇団自由劇場を旗揚げする20代半ばまでの活動を調べた。研究成果は学会発表や展覧会を通して広く発表することができた。
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