本研究の成果の学術的意義は、これまで西欧を中心に展開されてきた国際的なおとぎ話研究の知見を踏まえたうえで、非西洋文化圏の視点を取り入れた新たな批評の枠組みを提示し、当該分野の研究の多文化的な転換を促したことにある。研究成果は国際学会での発表、日本での国際学会の主催、英語圏の学術誌への寄稿、アメリカとイギリスでの単著および共著の出版等を通して広く公開し、国際的に反響を呼んだ。社会的意義は、現代のグローバルなおとぎ話文化の創出と受容について、従来の西洋中心的傾向とは異なる見地からの解釈を提示することで、より多文化的かつ通文化的な文化理解を促進し、多文化共生社会の実現に貢献したことにある。
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