研究課題/領域番号 |
15K02200
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研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
広瀬 正浩 椙山女学園大学, 国際コミュニケーション学部, 准教授 (80613299)
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研究分担者 |
馬場 伸彦 甲南女子大学, 文学部, 教授 (00411843)
水川 敬章 愛知教育大学, 教育学部, 講師 (00626070)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 大衆音楽 / 日本文化史 / 音楽文化論 |
研究実績の概要 |
2015年度は、本研究の初年度にあたる。当該年度の目標として、1970年代の「ニューミュージック」の関係者とのコンタクトを取るということがあった。その成果が以下の(1)から(4)となる。 (1)2015年7月11日、武蔵野美術大学における、広瀬正浩と水川敬章とによる萩原健太の講演聴取による情報収集と、萩原との交渉および調査依頼。(2)2015年8月17日、神戸におけるセンチメンタル・シティ・ロマンスの公演「森林日よりツアー2015」における、水川と馬場伸彦とによる情報収集と、センチメンタル・シティ・ロマンスのマネージメント担当者との交渉(聞き取り調査が可能であることを確認)。(3)2015年8月21日、横浜赤レンガ倉庫1号館「70sバイブレーション」における、水川による中野督夫・野口明彦・長門芳郎・牧村憲一からの情報収集と、長門芳郎との交渉。(4)2015年10月31日、水川による山下達郎のライブパフォーマンスの実地調査と、それによる問題意識の確認および研究手法の確立。 いずれも、ニューミュージックがアメリカ音楽と深い関わりがあることを改めて確認し、アメリカ文化との交錯を通じて戦後日本の大衆音楽文化が形成されたことを、人的資源たる当事者たちから聴き取ることができ、今後の調査研究の手がかりを獲得することができた。
また、本研究における「理論的整備」を担当する広瀬正浩による、ポピュラー音楽史の整理として、以下の論文が執筆された。 広瀬正浩「二〇一五年の松本隆の発見と喪失 一九七〇年代「ニューミュージック」の歌詞の成立(1)」(『言語と表現 研究論集』第13号、椙山女学園大学国際コミュニケーション学部、2016年3月)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の研究対象である「1970年代のニューミュージック」に関係した当事者たちへのコンタクトをとることには成功しているのだが、彼らへのインタビュー等が、こちらが予定していたようには行えておらず、その意味では「進んでいる」とは言い難い。しかし「遅れている」という程度のものでもないと考えている。 また、研究代表者である広瀬正浩は、研究成果の報告として論文を執筆したのだが、研究分担者である水川敬章・馬場伸彦による論文執筆が困難であったため、「進んでいる」とは言い難い。しかし資料調査等は進んでいるため、「遅れている」と判断する程のものではないと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2015年度は、本研究の研究対象である1970年代のニューミュージックの関係者(人的資源)へのコンタクトに成功しているため、2016年度はこれらを研究のリソースとして、インタビューやフィールドワークを実際に実施していくことを目指していく。上半期にスケジュールを確立し、下半期にインタビュー等をオープン化した形で進めていく。 また、資料調査や理論的整備の成果として、各研究者による論文やレポートの執筆・発表をおこなっていく。特に広瀬は、2015年度に発表した論文の続編を書く必要があるため、その作業に集中する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画段階では、2015年度に、研究代表者および研究分担者の三者とも、研究調査によって得られた資料の整理や論文執筆のためにパーソナルコンピュータを購入する予定であった。しかし、当該年度においては、パーソナルコンピュータの購入に至らなかったため、次年度使用額が発生することとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
研究代表者および研究分担者の三者とも、現在使用しているパーソナルコンピュータが旧式のものとなってきたため、2016年度には新たに購入する可能性がある。しかし、研究対象となるニューミュージックの関係者への聞き取り調査や、国会図書館等への資料調査のため、出張する機会が2015年度よりも増加することも予想されるため、臨機応変に適切に研究費を使用していく必要があると考えている。
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