研究課題
基盤研究(C)
徳島県正福寺蔵仏涅槃図は、損傷が著しく修理を必要とする作品で、涅槃図の釈尊(釈迦)の肉身と衣をすべて金色で表す、悉皆金色の彩色方法で表現されている。作品の修理に伴い、その際の記録から、釈尊(釈迦)の肉身と衣に施される、赤系顔料と金属材料の素材を使用した彩色表現について実証的に検証する研究である。修理記録、修理過程から得られた情報を基に、サンプルを制作し顔料の種類や彩色技法について検証を行った。結果、確証を得るまでには至らず、研究内容の再考を図り今後の研究に繋げていきたいと考える。
人文学
研究対象とする仏涅槃図を通して、日本の文化財における修理と保存の在り方を学術的に示すことができる。また、修理過程から得られた情報を基に、保存科学的な考察や芸術諸学に関する研究考察への指針を与えることができる。①文化財修理と保存、②保存科学的な考察、③芸術諸学への研究考察、等が専門分野での枠組みを超えて協力連携できるような社会的意義を示せる研究へと深めるためさらなる研鑽を積む。