研究課題/領域番号 |
15K02217
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研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
沼尻 利通 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (90587635)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 写本 / 版本 / 字母 / 紫式部日記 / 源氏物語 / 三条西家本 / 大江千里集 |
研究実績の概要 |
平仮名の字母分析により、写本同士の関係性を、より具体的に分析することが、研究の目的である。 上記の目的を達するために、以下の三点を明らかにすることを目標とした。 (1)写本同士の関係が明らかとなっていない『紫式部日記』の黒川本、肥前松平本の字母分析をおこない、両本の関係性を明らかにする。 (2)三条西家本系統『源氏物語』の本文を、字母・表記により分析する。 (3)書承関係が明らかとなっている『大江千里集』の伝寂蓮本、佐賀大学本A、Bの字母を分析することにより、これらの関係を明らかにする。 なお、(3)については、佐賀大学小城鍋島文庫の調査により、佐賀大学本A、Bを詳しく調査することができ、その本の貴重性を考え、「字母分析」の対象とする必要性を感じたため、急遽、本研究の分析対象とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
『紫式部日記』の字母では、『扶桑拾葉集』の『紫式部日記』の字母の本文を翻刻、既にデータ化している黒川本、松平本と比較対照できる段階に入っている。ただし、『源氏物語』「篝火」巻の字母分析の論文化が大幅に遅れている。また、『大江千里集』の和歌の字母分析を、今年度から並行しておこなっているため、意想外に時間がとられている。
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今後の研究の推進方策 |
(1)『紫式部日記』の比較対照の成果を出す予定である。 (2)今年度中に『源氏物語』「篝火」巻の字母分析の論文化をすすめていきたい。 (3)『大江千里集』については、一歩ずつ前進させていく努力をしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入する本が、学会割引で安く購入できたため、差額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
来年度の研究図書購入に充てていきたい。
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