令和元年度は、沖縄本島、沖縄諸島久米島、八重山諸島与那国島・小浜島・黒島・石垣島等で自然説明伝説に関する実地調査・文献調査を行った。調査は、第1回令和元年6月1-3日沖縄本島宜野湾市・那覇市、第2回令和元年8月12-20日沖縄諸島久米島・沖縄本島宜野湾市・大宜味村、第3回令和元年9月5-17日八重山諸島与那国島・小浜島・黒島・石垣島の計3回行った(総計25日間)。宜野湾市では沖縄国際大学で日本口承文芸学会2019年度大会・理事会に参加し、那覇市では沖縄県立図書館で文献調査を行った。久米島ではウニシ岳(山名由来)、ハタムングムイ(淵名由来)、ヒシククイ石(岩名由来)、ンナトンチビ」(河口名由来)、トーセングムイ(淵名由来)などの調査を行った。宜野湾市では沖縄国際大学で開催された奄美沖縄民間文芸学会2019年度大会及び役員会に参加し、大宜味村では塩屋で行われたウンガミ祭事の調査を実施した。与那国島では、ウランドゥマイ(地名由来)、クンマ(地名由来)、アカマル石(岩名由来)、ウルク石(岩名由来)、カニマチダヤ(洞穴由来)などを中心に調査を行った。小浜島では、スタンダル垣(魚礁由来)、クマンザキ(崎名由来)、ウティンガー(滝名由来)、カンドゥラ石(石名由来)、フナンザキ(崎名由来)、フシサダメ石(岩名由来)などを中心に調査を行った。黒島では、トーノブザ(地名由来)、アサビシバナ(岩名由来)、アダンバル(原名由来)、シツル(地名由来)などを中心に調査を行った。石垣島では、アイナマ石(石名由来)、フナクヤー(地名由来)、タラマ田(田名由来)、野底マーペー(山名由来)、ンマミ石(地名由来)などを中心に調査を行った。自然説明伝説には、地形等に由来するもの、歴史的事件に由来するもの、土地の伝承に由来するものなど、多様な由来があることが確認された。
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