主な成果は以下の4点である。 ①勅撰和歌集の釈教歌と神祇歌を読解し、その特徴を分析した。釈教歌や神祇歌の入集や配列には、勅撰和歌集の撰集を命じた天皇の意向や信仰、社寺との関わりが反映していることを明らかにした。②僧侶の和歌、特に明恵と夢との関わりを分析した。③室町時代から江戸時代までの歌占本をできるかぎり網羅的に調査し、その系譜と特徴を明らかにした。④和歌をもちいたおみくじに着目し、江戸時代以降の歌占本や各地の神社に蔵されている和歌おみくじの版木や資料を調査した。和歌のおみくじと漢詩のおみくじの関係や相違を分析し、江戸時代から現代までのおみくじや歌占本に見られる和歌の特徴を明らかにした。
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