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2018 年度 研究成果報告書

標注を中心とした近世詩論の基礎的研究

研究課題

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研究課題/領域番号 15K02235
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 日本文学
研究機関中央大学 (2017-2018)
ノートルダム清心女子大学 (2015-2016)

研究代表者

小野 泰央  中央大学, 文学部, 教授 (90280354)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード近世漢文学 / 標注 / 宇都宮遯庵
研究成果の概要

宇都宮遯庵の注釈数は近世漢詩文注釈者の群を抜いている。集部に限っただけでも、対象とした詩文集は多数を挙げることが出来、なかでも『錦繍段』への注釈は頻繁で、唯一の抄物である万治四年の『頭書錦繍段抄』を始め、後には寛文四年の『錦繍段首書』、貞享元年の『錦繍段首書』、元禄十五年の『錦繍段詳註』と三度の標注を製作し、計四度も注を施した。遯庵がその注釈に執拗な改訂を行った『錦繍段』は、自身にとって創作する上でも重要な詩集であった。彼の『遯庵詩集』『遯庵先生文集』における詩文には、『錦繍段』の詩句引用が色濃く見られるのみならず、その換骨奪胎は彼自身の注解内容ともまた合致する。

自由記述の分野

日本漢文学

研究成果の学術的意義や社会的意義

明清詩論の影響下にあるということで、近世の詩論は、宋代詩論に依拠した五山抄物と一線を画することができる。藤原惺窩は中国明代の文論を編集して『文章達徳要領』を成し、石川丈山は、明代以降の詩文論書に依拠ながら『詩法正義』を成した。丈山は近世において詩人として本格的に活動したと言われる。その丈山の『詩法正義』を受け継いだ詩論書が、貝原益軒『初学詩法』と、遯庵の『文家小筌』(『作文楷梯』)で、分けても、先ず抄物を製作して、その注釈の手法を標注へと移行させた遯庵は、明代標注を近世的な標注に仕立てた張本人でもあった。加えて、遯庵はその標注の意義を、自らの標注を用いて自らの詩で実践した。

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公開日: 2020-03-30  

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