研究課題/領域番号 |
15K02236
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研究機関 | 九州共立大学 |
研究代表者 |
工藤 浩 九州共立大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90636101)
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研究分担者 |
渡邉 卓 國學院大學, その他部局等, 助教 (10726011)
福田 武史 東京大学, 教養学部, 助教 (20752075)
奥田 俊博 九州女子大学, その他部局等, 教授 (30343685)
松本 弘毅 早稲田大学, 文学学術院, 助教 (30434244)
小林 真美 東京理科大学, 理学部, 助教 (30548144)
松本 直樹 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (50239109)
小村 宏史 沼津工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50734688)
伊藤 剣 明治大学, 法学部, 講師 (70453991)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | タケミカヅチと藤原氏 / 天海蔵本調査 / 系図 |
研究実績の概要 |
分担研究者と個々に担当内容についての確認を行い、平成28年8月の研究会実施に向けた準備を行っている。 書誌に関する研究については、平成27年8月と12月に分担研究者の松本弘毅氏とともに、日光山輪王寺を訪問して天海蔵『先代旧事本紀』の調査を実施した。先ず8月の初回訪問時には、当該写本を実験し、本文の校正と奥付、装丁などの大まかな確認を行った。12月には、許可を得て全十巻五冊の写真撮影を行った。現在、写真データの整理と分析を行っている状態である。11月には、水戸講道館所蔵本の調査のための情報収集のため、常盤大学で実施された藝林會大会に参加し、水戸私学会理事梶山孝夫、但野正弘両氏からヒアリングを行ったが、閲覧が極めて難しいことが判明した。善後策を現在模索中である。併せて、今年夏に実施予定の、石上神宮蔵本の調査に向けての準備を行っている。 古事記学会平成26年度11月例会に於いて、「『先代旧事本紀』編纂論序説」と題する研究発表を行い、本研究で扱う内容を整理して問題の所在について確認した。併せて、『先代𦾔事本紀』本文に含まれる、記・紀、『古語拾遺』からの引用ではない独自記事を網羅的に整理して、論点を整理した。巻五「天孫本紀」所載のニギハヤヒ後裔系譜と丹後國籠神社所蔵の国宝『籠名神社祝部氏係圖』『海部氏勘注系圖』との比較検討が必要である点を指摘した。両者には、共通する尾張氏関係の人物の名が記載されており、特に『海部氏勘注系圖』に関しては「天孫本紀」系図に依拠して作られたものであるとの見通しに立って、分析してゆく予定である。 本研究に関する論文は、『古代史研究の最前線 古事記』(平成16年5月 洋泉社刊)に「なぜ、神武東征は九州を出発するのか」を、「タケミカヅチと藤原氏」を『古事記年報』58(平成28年3月 古事記学会発行)に発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年度に研究会を実施する予定であったが、分担研究者に依頼する研究内容の決定に手間取り、年度内の実施ができなかったため。また、写本調査に関しては、講道館本の閲覧が叶わなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
分担者の研究内容がほぼ決まった現在、平成28年8月実施に向けて調整を行っている。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初平成27年度内に3回予定していた写本調査が1回しか実施できなかったため。また、平成27年度に実施予定であった研究会が、諸般の事情で平成28年8月にずれ込んだため。
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次年度使用額の使用計画 |
遅延した文を取り返して、前年度使用額を早期に執行して、平成28年8月と平成29年3月に2回研究会を実施して、当初の予定通り平成29年度内の叢書刊行を行う。
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