研究課題
本研究課題では1920年代から30年代にかけておこなわれたプロレタリア文化運動にかかわる1次資料の調査と研究をおこなった。研究対象は、浦西和彦氏所蔵資料、市立小樽文学館所蔵資料(池田壽夫旧蔵)、大原社会問題研究所所蔵資料、札幌大学図書館所蔵資料(松本克平旧蔵)、日本近代文学館所蔵資料(貴司山治旧蔵)である。合計4000点ほどの資料について詳細情報を記録するとともに、出版社の協力も得てデジタルカメラによる写真撮影をおこなった。これらのうち2857点を選び、データベース化するとともに、検索機能付きDVD2枚に収録して『昭和戦前期プロレタリア文化運動資料集』(丸善雄松堂)として刊行した。この資料集は、これまで、詳細が不明であった文化運動の実態、特に地方文化や労働者文化を再考する上で貴重である。本研究課題を遂行するにあたっては、「昭和戦前期プロレタリア文化運動資料集研究会」を組織した。その会員は、足立元、雨宮幸明、池田啓悟、泉谷瞬、伊藤純、浦西和彦、鴨川都美、白井かおり、武田悠希、立本紘之、玉川薫、鳥木圭太、内藤由直、中川成美、正木喜勝、村田裕和、和田崇(五十音順)の17名である。研究会は、京都及び旭川を会場として、合計5回おこなわれた。研究会では、文学、演劇、映画、美術、写真、音楽、思想・宗教など、当時の文化運動に組み込まれていた多岐にわたる芸術・文化ジャンルの資料を幅広く捉え、日本プロレタリア文芸聯盟、日本プロレタリア芸術聯盟、全日本無産者芸術聯盟/同芸術団体協議会(ナップ)、日本プロレタリア文化聯盟(コップ)、労農芸術家聯盟その他の文戦派(労農派)など、主要な文化団体の文書について、その下部組織や地方組織も含めて幅広く取り扱った。上記資料集の成果をふまえて、研究論集『革命=芸術 プロレタリア文化運動』(森話社)を平成30年度中に刊行する予定である。
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立命館文学
巻: 652 ページ: 1190-1203
巻: 652 ページ: 1167-1177
巻: 652 ページ: 1204-1215