研究課題/領域番号 |
15K02240
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
安藤 宏 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (30193113)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 太宰治 / 日本文学 / 近代文学 / デジタル化 / オンライン / 日本近代文学館 / 山梨県立文学館 / 青森県近代文学館 |
研究実績の概要 |
・日本近代文学館への太宰治資料の追加寄贈を受け、数十年ぶりの「太宰治文庫」目録の改訂を行うため、担当職員と協議を行った。28年度中の完成を目指し、発行形態、内容を協議中である。なお、将来、同館のHPに掲出する可能性についても検討した。/・平成26年に公開、発売されたオンライイン版『太宰治自筆資料集』について、発行元の雄松堂書店の担当者と、今後の事業拡張の可能性(日本近代文学館蔵資料の増補、他の文学館資料のオンライン化、ネットワークづくりの可能性)について協議を行った。/・山梨県立文学館の学芸員と協議し、太宰治関係資料のデジタル化、将来のオンライン化の可能性について懇談した。/・青森県近代文学館に出張し、同館に対し、太宰治関係資料のデジタル加が急務であること、また、将来、オンラインで各館の資料を結ぶ構想について、その重要性を説明した。/・三鷹市の山本有三記念館の職員と太宰治関係資料について協議を行い、新たな太宰治資料に関する情報を得た。/・旧蟹田町の太宰治文学碑に修復の必要があるとの情報を得たため、青森県外ヶ浜町に出張し、その必要性について陳情を行うと共に、文化資産としての「太宰治」の今後に関する協議を行った。/・太宰治のご遺族と今後の資料公開、関係市町村との協議に関する懇談を行った。/・『太宰治100の言葉』(宝島社平成28年3月刊)の監修を行った。またその過程で、太宰治関係写真の所在について、情報を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各地の文学館の資料をオンライン化していくにあたっては、公開に関する各施設の深い理解が不可欠となる。ネットで閲覧可能のなることによって館の資産が減少する、という慎重論の根強いのが現状である。公開は公益につながり、それに資することが結果的に文学館のステイタスの向上につながることを根気よく説明していく必要がある。公立施設に関しては地方公共団体の認可を得ることが最大のネックになるものと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
オンライン化の前の段階として、まず、貴重な直筆資料のデジタル化をすすめていくことを推進していきたい。また、オンライン化は商業ベースでの性向が見込めなければ業者の協力を得ることが難しい。その為の既存の資料集の普及にも努力する必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ作成計画を次年度に繰り越したため、物品費、人件費に余剰が生じたため。
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次年度使用額の使用計画 |
パソコンを購入し、データの作成を本格化する。
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