研究課題/領域番号 |
15K02261
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研究機関 | 清泉女子大学 |
研究代表者 |
武藤 純子 清泉女子大学, 文学部, その他 (50424304)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 奥村政信 / 浮世絵 / ポ^-タルサイト / データベース |
研究実績の概要 |
本研究は、浮世絵師奥村政信を総合的に研究し、ポータルサイトを構築することである。研究実施計画に従い、国内外の図録等から該当する図版の選定・考証を行った。夏期休暇には米国・メトロポリタン美術館、フィラデルフィア美術館、ウースター美術館、ボストン美術館に調査研究に出かけた。ボストン美術館蔵の奥村政信画の横大判墨摺絵十二ヶ月十二枚揃は、昭和初年に一図のみの報告があった大変珍しい作品であった。今回十二枚全図を確認できたので、国際浮世絵学会(平成27年6月7日)において「奥村政信の横大判十二枚揃にみる月次風俗」として口頭発表を行った。本作は、菱川師宣の『月次のあそび』と密接な関係にあることを両者の比較によって明らかにした。そして政信作品の月次風俗の特色、制作年代、ボストン美術館所蔵までの経緯等も明らかにすることができた。今後は論文としてまとめる予定である。ウースター美術館の調査では、政信を初めとする初期浮世絵版画が多く所蔵されていることが明らかになった。当美術館には専門の学芸員が不在のため、今後私が年代考証等に協力していくことを約束した。海外の研究者との情報交換および研究協力は研究者の重要な任務である。一方、千葉市美術館では平成28年1月9日~2月28日に「初期浮世絵展」が開催された。奥村政信等の作品解説を担当するともに、図録『初期浮世絵展-版の力・筆の力-』に拙稿「鳥居派の役者絵と奥村政信のやつし絵」を執筆した。なお、展覧会準備の過程においての政信に関する情報交換は、ポータルサイト構築に大きな収穫となったと思う。次年度はポータルサイト構築を目指して、政信と作品の更なるデータ収集に励みたい。またWebAPI(WebService)での他の研究者サイトからの利用が可能な仕組みを提供したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内外の図録等から該当する図版の選定・考証はおおむね順調に進展している。米国の浮世絵調査もおおむね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
テロの脅威により、ヨーロッパの美術館調査が難しい状況である。アメリカの美術館を中心に調査を進める可能性が高い。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度の旅費が予定よりも少なかった為。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の旅費に組み込み予定。
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