本研究は、20世紀前期日本近代文学における内務省・GHQ検閲の比較研究の国際的展開を目指し、当初の研究目的を達成することができた。アメリカ合衆国やカナダなどの研究・教育機関に出張し、ゴードンW.プランゲ文庫の資料調査と研究成果の発表を重ねながら研究を展開した。帝国日本で行われていた内務省の検閲と占領期日本で実施されたGHQ/SCAP(General Headquarters/Supreme Commander for the Allied Powers、連合国軍最高司令官総司令部)の2つの検閲に関する新資料を収集・整理し、学術論文・著書を多数発表し、新たな研究の国際的な基盤を形成した。
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