豊かな地理学的想像力なしには成立しなかった英国小説を研究した。『ロビンソン・クルーソー』のカリブ海、『パミラ』や『ジェイン・エア』のジャマイカ、スモレットのスコットランド、『ラセラス』のエチオピアなどの意味を明らかにした。従来の研究では地域・国単位、もしくは環太平洋などの限られた視野で解釈されていたイギリス小説を、本研究ではイギリスを中心とした〈東〉=太平洋・アジアなど、〈西〉=カリブ海・アメリカなど、〈南〉=アフリカなど、〈北〉=スコットランドなどへと、東西南北に拡がる豊穣なる地理学的想像力を中心に据えることで包括的に捉え直した。国際シンポジウム、複数の論文公表などの成果を挙げた。
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