| 研究課題/領域番号 |
15K02305
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| 研究機関 | 京都府立大学 |
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研究代表者 |
岡村 眞紀子 京都府立大学, 文学部, 研究員 (80123488)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | コスモロジー / アトミズム / インフィニティ / Thomas Harriot / Thomas Digges / George Chapman / Giordano Bruno / John Donne |
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| 研究実績の概要 |
当初の予定を変更し、Birkbeck College (London大学)ではなく、京都大学に拠点を置いて研究を進めている。一昨年度に終えるはずの『ソネット選集』の出版予定が、昨年度に大幅にずれ込んだためである。28年度からは、Oxford大学と京都大学、両大学を拠点とする。
(1) 大英図書館でThomas Harriotの手稿の複写を入手し、‘De Infinitis'の約2分の1を読み終えた。アリストテレスの無限論に反論する持論を、数学理論と併せて展開する論である。 (2) Harriotおよび彼が一員であったHenry Percy Circleが依拠した諸哲学者や詩人の作品を読書・研究会で精読、議論した。特にLucretiusは、De Rerum Naturaの第1巻、Giordano Brunoは、La causa, principio et unoの第1対話を読み終えた。また、京都大学の伊藤和行教授と共に、Galileo GalileiのSedereus Nunciusを精読した。 (3) 2016年5月刊行の『ソネット選集 ワイアットからハーバートまで』でのGeorge Chapman、John Donne、その他の詩人の詩に関して、コスモロジーに関わる詳註を付した。(4)Robert Burtonの世界観、死生観にかかわる書、The Anatomy of Melancholy (I-2･3）の翻訳を『京都府立大学学術報告』に発表した。 (5) Renaissance Society of America Conference (3-4月）、Thomas Hariot Seminar (7月）、John Donne Society Conference (2月）に出席、議論に参加した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
10年来続けてきたソネット選集の出版プロジェクトの最終巻、第3集『ソネット選集 ワイアットからハーバートまで』の最終原稿作成、編集、校正が予定以上に時間を要し、27年度に大幅にずれ込んだのが理由である。本選集は28年5月に出版の運びとなった。
この著に、本助成による研究課題での研究を盛り込むべく、加筆、補筆をかなり行った。特にGeorge Chapman、John Donneに関しては、直接関わっているが、その他John Davies of HerefordやWilliam Drummondでも宇宙論に関する記述を相当書き加えた。そのことが出版の遅延にもつながったが、内容は充実したはずである。
全体としては、おおむね順調に調査・研究が進んでいる。
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| 今後の研究の推進方策 |
前期はOxford大学で、後期は京都大学で研究を進める。前者ではFaculty of Englishに籍を置き、Department of History of ScienceやHistory of Science Museumの研究者（特にStephen Johnston)との共同研究や研究交流もはかる。Birkbeck College (London大学)のStephen Clucasとの研究交流を重ねる。Harriotの手稿の解読にあたっては、同博士との共同作業は欠かせない。
(1) 昨年度に続き‘De Infinitis'を解読する。併せてChichester Public Record Office所蔵のPetworth手稿のうち天体観測記録と書簡（Harriot宛のもの、本人の手によるものは残っていない）の調査にあたり、Harriotの宇宙論における原子論、無限論を考察する。可能な限りの先行研究にもあたる。
(2) 読書・研究会で、LucretiusのDe Rerum Naturaの第2巻、Giordano BrunoのDe la causa, principio et unoの第２対話以降をできる限り読み進む。研究会以外でもBrunoのDe l'infinito universo et mondiを詳読する。また、京都大学の伊藤教授とGalileo GalileiのDelle Macchie Solariを精読する。
(3) 2012年のThomas Harriot Seminarでの発表に基づき、Chapmanのコスモロジーの一端を示す「Chaos」と「変化」についての論をまとめ、Intellectual History Journalに応募する。また、Harriotの無限論、原子論に関する論をまとめ、Intellectual History学会での発表に備える。
(4) Burton, The Anatomy of Melancholyの翻訳を引き続き行い、発表する。
(5) 数学史学会（4月）、Intellectual History Conference（5月）、Harriot Lecture（6月）, Harriot Seminar（7月）、John Donne Soceity Conference (2月）に出席、議論に参加、研究交流を深める。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
2016年度前期にOxford大学に滞在して研究、執筆にあたるため、その使途に充てる。
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| 次年度使用額の使用計画 |
Oxford大学にて滞在、そのための旅費、滞在費、書籍費、コピー代、学会参加費などに充当する。
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