ヴィクトリア朝の論客として知られるHarriet Martineau(1802-1876)による1820年代から30年代初めの修作に青少年向けの教訓物語群がある。本研究はこれらの作品に当時マーティノウが傾倒していた18世紀の道徳哲学者David Hartleyによる心の仕組みに関する理論、観念連合説の影響が見られることを明らかにした。マーティノウの心に対する見方や心理の描き方はユニテリアン派の知的伝統とも結びついており、一世代前に同じくハートリーの思想の影響をうけたAnna Barbauldの作品に見られる合理的思考や感覚と結びついた道徳的感情を重視する姿勢を受け継いでいることも明らかにした。
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