研究課題/領域番号 |
15K02314
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研究機関 | 成城大学 |
研究代表者 |
松田 美作子 成城大学, 文芸学部, 准教授 (10407611)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 宗教的エンブレム / 宗教詩 |
研究実績の概要 |
2015年度は、近代英国における宗教文学、特に詩と宗教的エンブレムブックとの関係を検討するために、宗教的エンブレムブックの中でも格段に影響力のあったFrancis Quarlesの17世紀から19世紀までの各版を、可能な限り、国内やグラスゴー大学図書館で調査した。ひとくちで宗教的エンブレムと云っても、聖書を基にした題材は広範であり、研究対象を絞る必要があろう。調査の結果、広範な宗教的題材のなかから、近代初期英国で多くの学者や詩人が翻訳をし、翻案され、教会で歌われていた「雅歌」を中心に比較検討する方向性を見出した。 その過程で、近代初期英国の宗教的エンブレムと密接な関係のあったオランダのエンブレムブックにも注目した。オランダのエンブレムブックが、17,18世紀の日本にも伝わり、当時、少数ではあるが、日本の芸術家にもエンブレムを理解したもののあることを、2016年3月、グラスゴー大学Stirling Maxwell Centre主催のセミナーで口頭発表した。そこで国際エンブレム協会イギリス支部の会員はじめ、研究者と交流を持てた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
膨大な宗教的エンブレムブックのなかから、英国のFrancis Quarlesを選んだことで、彼に関連したエンブレム作家や詩人が浮かび上がり、彼らを調査する方針が固まった。 そこで、清教徒革命前後の複雑な政治的、宗教的な状況が、エンブレムにも反映されていることが明らかになることが期待でき、課題を進展させることができるであろう。本年は、クォールズの多くの版を所蔵するグラスゴー大学での調査や、イギリスの研究者との交流から、有意義な助言も得られた。
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今後の研究の推進方策 |
2015年度に収集した資料を分析し、2016年度はクォールズの同時代のエンブレム作家、George WitherやHenry Hawkinsにも視野を広げる。そのさい、「雅歌」を題材にしたエンブレムに注目して分析を進める予定である。そのため、大英図書館などにおいて資料を収集し、その成果を論文にまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
17世紀のオランダのエンブレムブックか、フランシス・クォールズの18世紀の版で、19世紀に出版されたクォールズの諸版に、図版を提供した版を探したが、みつからず、その購入ができなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
2016年度は、海外の図書館で、17世紀のオランダで出版されたエンブレムブックや、18世紀に出版されたクォールズを探して、研究に使用するためコピーでもいいので入手したいと考えている。
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