研究課題/領域番号 |
15K02340
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
新田 玲子 広島大学, 文学研究科, 教授 (40180674)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | Joseph Heller / Kurt Vonnegut / 第二次世界大戦 / 戦争文学 / 平和文学 / 聖書 / 心理学 |
研究実績の概要 |
2015年度はまず、Joseph Hellerの聖書を題材とし、一見戦争とは無関係に見えながらも、「戦いの王」と「平和の王」の両方の性格を持って描かれるダビデ王に、Heller自身の戦争体験をもとにしたCatch=22との共通性を見出し、Hellerの戦争観と平和観を論じて、『中・四国アメリカ文学研究』(No.51,2015年6月)に公表した。またその要旨は、同年11月にアメリカ合衆国フロリダ州マイアミで開催された21st Annual American Literature Association'sで発表した。 並行して、Kurt Vonnegut のGod Bless You Mr. Rosewaterにおける、第二次大戦の戦争後遺症を持つ主人公、Eliot Rosewaterの心理描写を、Vonnegutの戦争体験を題材にしたSlaughterhouse -Fiveの主人公、Billyの描写と比較しながら、両者に共通するVonnegutの戦争観と平和観を論じ、6月にマルタ共和国で開催されたthe International Conference on Psychology and the Artsで発表した。また、この原稿をもとに仕上げた論文を、The Hiroshima Unviersity Studies Graduate School of Letters( vol. 75, Dec. 2015)で公表した。 さらに、2016年度の研究に向け、VonnegutのCat's Cradleに関する研究に取りかかっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2015年度に行うとしていたJoseph HellerのGod Knows研究を、予定していたとおりHellerの戦争観と平和観から論じて、『中・四国アメリカ文学研究』(No.51,2015年6月)に公表した。またその要旨は、同年11月にアメリカ合衆国フロリダ州マイアミで開催された21st Annual American Literature Association'sで発表した。 同様に、当初予定していたとおり、Kurt Vonnegut のGod Bless You Mr. RosewaterにおけるVonnegutの戦争観と平和観を、Vonnegutの戦争体験を題材にしたSlaughterhouse -Fiveと比較しつつ論じ、6月にマルタ共和国で開催されたthe International Conference on Psychology and the Artsで発表した。さらにこの原稿をもとに仕上げた論文を、The Hiroshima Unviersity Studies Graduate School of Letters( vol. 75, Dec. 2015)で公表した。 さらに、2016年度の研究に向け、VonnegutのCat's Cradleに関する研究に取りかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
申請時に計画していたように、Vonnegutの作品の研究を続けると同時に、Mailerの作品を読み進める。 なお、申請時ではSalingerの戦争作品に関する研究成果の国際学会での発表を最後に回していたが、博士論文を作成した時点である程度まとめているこの研究の成果を早めに英語で公表することで、海外研究者のレビューを受けて研究をより深めることができるのではないかと、考え始めている。来年度はこの点の計画変更をするかもしれない。
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次年度使用額が生じた理由 |
出張費用等で残金を使い切るつもりだったが、ユーロ=円交換比率などで微妙な差が出た。
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次年度使用額の使用計画 |
100円以下の金額なので、これだけで何かを購入することはできないだろう。来年度はこれを「その他」において、文具などの購入の際に、残金を足す形で利用したいと思う。
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