研究課題/領域番号 |
15K02343
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岡本 太助 九州大学, 言語文化研究科(研究院), 准教授 (90523176)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | アメリカ演劇 / 批評理論 / パフォーマンス研究 / 受容理論 / アフェクト理論 |
研究実績の概要 |
本課題の交付申請書の記載事項に従い、本年度はアメリカ演劇および批評理論関係の文献の収集と精査を行った。 研究活動の具体的な内容としては、現代アメリカ劇作家ラジーヴ・ジョゼフの作品と劇作法を「9・11以後」、「理論以後」の文脈において分析した論文を、『アメリカ演劇』27号(日本アメリカ演劇学会)に投稿し掲載された。 また日本アメリカ演劇学会の年次大会での研究発表において、現代アメリカを代表する劇作家の一人サム・シェパードについて、パフォーマンスおよび構造的因果性(ルイ・アルチュセール)というキータームを用い分析を行った。同発表の内容は、さらに次号の『アメリカ演劇』に投稿の予定である。 日本英文学会九州支部大会では、演劇に関わりの深い「パフォーマンス」をキーワードにシンポジウムを企画・実施した。同シンポジウムでは、演劇、小説、映画、音楽などのジャンルを横断的に分析し、自身の担当した報告では、現代アメリカ小説における建築物と怪物の表象について、パフォーマンス研究的視点からの考察を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
定期的な学会発表と論文執筆・投稿を行っており、研究成果を公開することができている。初年度は主にパフォーマンス理論を中心に批評理論の調査を行ったが、2年目からはその延長としてアフェクト理論や受容理論、メディア理論などにも研究の範囲を拡げるべく、資料等の選定を進めている。アメリカ演劇関連の研究活動としては、9月にエスニック・マイノリティの演劇に関する発表を予定しており、現在その準備を進めている。研究のための環境にも恵まれており、当座のところ研究計画の遂行の妨げとなるよう問題はない。
|
今後の研究の推進方策 |
申請書類記載の計画に従い、研究を続行する。具体的には、スーザン=ロリ・パークスの劇作品を対象に、アダプテーション(翻案)や原典の改変、物まねなどの要素についての理論的考察を行いたい。また、チカーノ/ラティーノ作家についても研究を開始し、国境などの境界線・境界領域をめぐる移動について検討したい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
旅費および人件費(謝金等)として支出を見込んでいた分が不要であったため、残金が発生した。
|
次年度使用額の使用計画 |
繰り越し分は、電子書籍リーダーや資料整理のための各種備品と消耗品の購入、および海外出張を含む旅費として使用するつもりである。
|