研究課題/領域番号 |
15K02361
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
石原 剛 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (00368185)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 書誌 / 航空文学 / 航空文化 / アメリカ / アメリカ文学 |
研究実績の概要 |
本年度は、アメリカ航空文学の系譜を包括的に跡付けるための基礎資料の収集期間と位置づけ、アメリカ各地の図書館やアーカイブを訪問して資料の収集を集中的に行った。既に見当をつけていた資料の中には、オンライン書店での購入による収集が可能であったため、適宜、インターネット上の情報を確認しつつ資料の収集にあたった。結果、アメリカ航空文学を担う中心的な存在である、チャールズ・リンドバーグ、アン・モロウ・リンドバーグ、アーネスト・ギャン、リチャード・バックといった今日でも著名な作家たちの関連資料を収集したことに加え、今日では忘れられた観のあるウルフギャング・ランジェウィッシュやディーン・C・スミスといった作家たちの貴重な原作を入手できたことは大きな成果といえる。 加えて、SF関係の書誌を検討することでより総合的なアメリカ航空文学関係の書誌の作成も並行して進展させることができた。ただし、実物を手に取って確認しないまでは、実際に航空文学の名に値する作品かどうかは判断が付きにくいため、書誌の決定版を完成するまでには至っていない。今後も書誌と現物との照合作業を継続して進めていく必要がある。 また、アメリカでの1年間の在外期間を利用して、アメリカにおける航空文化の姿を理解するために、アメリカ各地の航空関係の催しや博物館を訪問する機会を積極的に設けた。特に、重要であったのは、世界最大の航空の祭典ともいえるオシュコシュ航空祭に参加できたことは大きな収穫であった。同航空祭では、複数の航空作家が読者と語らう機会を設けており、実作者の側からみた航空文学の意義を理解する上で役に立つセッションであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
書誌の作成がもう少し順調に進むと当初は考えていたが、思ったより資料の散逸が広範囲で、資料の収集に多大な時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
総合的な書誌の作成と資料の収集に多大の時間を要してしまったので、今後は、少し方針を切り替えて、より厳選された航空文学に限定した作品分析の方に比重を置いていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
資料の収集をした際に、当初の予測より為替相場などの変動により、実際に購入した額が思ったより安価であったため、合計1万円以下の差額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
1万円以下ではあるが、資料の収集に有効に活用したい。
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