研究実績の概要 |
アメリカ軍のインド洋上の拠点であるDiego Garcia島から1970年代に強制移住させられたチャゴス難民を扱った文学作品をモーリシャス・アメリカ・イギリスの関係国から収集し、それぞれの国としての立ち位置、作家の立ち位置、また読者の反応を探ることが本研究の主たる目的である。2017年度は、特にヨーロッパでの成果発表の機会を得た。これは重要な意義がある。モーリシャスの包括領土としてフランス領そしてイギリス領になった歴史を持つ国の難民に関しての問題をもと宗主国としてどれほど認識しているかを知る機会でもあるからだ。まず、ハンガリーでの国際学会において本研究の一部成果発表を行った。 A Chagos Refugee represented in Lindsey Collen’s Mutiny, Rie KOIKE, Global African Studies, Pecs Univ. Hungary, June 2016.この発表においては、特にアメリカの大学からの出席者から「Diego Garcia島、チャゴス難民についてこれまでそれほど見識がなかった」とのコメントを得た。 The Rise of Asia: Impacts, Risks and Opportunities for Africa, (or Vice Versa), Rie KOIKE, International and multidisciplinary conference Organised by GRIC (Group of Research on Identities and Cultures), University of Le Havre, France, Mar. 2017.沖縄文学との比較の試みを行った。本研究の展開として米軍基地問題に関わる文学のジャンル構築の第一歩となった。
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