本研究においては、21世紀アジア系アメリカ演劇における日本演劇および日本文学の要素について調査を行い、アメリカ演劇と日本文学の接点を探った。日系アメリカ人劇作家Chiori Miyagawaの戯曲を中心に、『源氏物語』、『更級日記』、近松門左衛門の『女殺油地獄』、日本の能作品を現代アメリカ演劇に取り入れる実験的試みを調査した。古典文学に登場する人物との対話により、Miyagawaの戯曲の登場人物は、時空間の制限を超越する。その点を踏まえた上で、「記憶」の劇的装置としての機能について考察をした。さらに、文学のジャンルの境界をも超越しようとするMiyagawaの手法について研究を進めた。
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