20 世紀アメリカを代表する写真家ウォーカー・エヴァンスとモダニスト文学者との相互影響関係を実証することが本研究の目的である。最終年度である本年の成果は、その集大成となるものである。最大の成果としては、エヴァンス、ヘミングウェイ、フォークナーの相互影響関係を論証した論文が、国際共著としてサウスイースト・ミズーリ大学出版から発表されたことが挙げられる。また、批評家マルコム・カウリーの『ポータブル・フォークナー』を巡るエヴァンズとフォークナーの繋がり等、それぞれ異なる成果の一端を5月、7月、10月に開催された国際学会にて発表できたことも本年度の大きな成果として挙げられる。美術史や写真の専門家と直接交流してフィードバックをもらえたことは大変意義深いことであった。これらの成果については、現在論文化を進めている。アーカイヴ調査に基づいた本研究は、これまで知られていなかった事実を発掘し、文学研究と美術・写真研究の分野の両方に寄与することができたと考える。
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