研究課題
研究代表者高梨は、グローバルな視点からエマソンの現代性を解明する研究の継続として、エマソンの超越主義思想と大乗仏教の教義及びヤコブ・ベーメの思想との比較的考察を試みた2篇の論文 'Emerson's God-within and the Buddhist Buddha-womb'、「エマソンとヤコブ・ベーメ―思想の類似性をめぐって」を発表した。また7月下旬にはドイツ・ハイデルベルク大学で開催された国際学会 Transcendentalist Intersections: Literature, Philosophy, Religion に出席し、アメリカ及び各国のエマソン学者と意見交換を行い、研究資料を収集した。研究分担者堀内は、8月末に詩人吉増剛造から、依頼していたエマソンに関する散文テキストを受け取った。すでに詩人フォレスト・ガンダーからエマソンにインスパイアされた詩を送ってもらっていたのと合わせて、当初はチャップブックのような形態を構想していた研究成果を書物として上梓することにし、吉増とガンダーそれぞれのテキストの関する文章を新たに執筆し、2019年3月に『裸のcommonを横切って――エマソンへの日米の詩人の応答』(小鳥遊書房)を出版した。日本とアメリカ双方の詩を牽引する二人の詩人があらたにエマソンへのパースペクティヴを切り開き、エマソンを現代に蘇らせる試みを共著という形で打ち出せたと考えている。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 図書 (1件)
長野県短期大学紀要
巻: 73 ページ: 33-43
The Journal of East-West Thought
巻: vol. 9, no. 1 ページ: 1-14